設計処 草庵 設計処草庵は、気候風土に根差した日本建築を現代の生活様式にアレンジした建築デザイン設計を行っている一級建築士事務所です。 93年以降自然健康住宅の先駆的草分けとして講演活動等も行っています。
代表である建築家・中原賢二は、特定非営利活動法人「社の極」の理事長であり、大阪を始めとする関西各地にてすまいの勉強会や自然素材のワークショップ、講演会を行うなど、NGO活動に努めております。
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桂離宮見学レポート
reported by 「社の極」会員
 北村 隆氏
社の極HP

 

日時: 2006年11月25日(土曜日)                 
■場所: 京都 桂離宮


回遊式庭園と数奇屋風の純日本風建築物で構成されている。
 

 そろそろ師走の感もある11月末、念願であった桂離宮を訪問することになった、私にとってここは「永遠の美」が存在する場で特別なもの。 「永遠の美」とは、言わずと知れたドイツの建築家ブルーノ・タウトの言である。 私が桂離宮の少しを知ったのもタウトの著した「日本美の再発見」を30年ほど前に読んだからで、それまでは学校の建築工芸史に出てくる法隆寺・飛雲閣・陽明門などと横に並ぶものの一つにしか過ぎなかったが、伊勢神宮のやしろに端を発する日本文化独自のものということをドイツ人から教えられるとは皮肉なものである。
 
 さて、係の方に引率されて中門から入った時は聖域に踏み入れたような心地であった。 創建以来三百数十年、そしてタウトが訪れた七十数年前となんら変わらぬものがここにあること自体、感動的である。 本来は書院に案内され軽く一服してから庭を散策という事になるのであろうが、見学者は邸内には入れないので、松琴亭、賞花亭、笑意軒、御殿、月波楼と言う順で見学した。 見学時間の一時間ではとても全容にふれることは出来ないが、写真などで印象に残っている松琴亭、座敷床の間の藍白の市松模様、笑意軒小壁の六つの円窓などの前に立ち感慨深いものがあった。

 今回は晩秋のおり邸内の紅葉も見事に赤く染まっており、いかにも日本の美を満喫できたとしよう。 しかしながら、桂離宮の美の本質に触れるには春夏秋冬、最低でも各時期ひと月程ずつ滞在してみないことには無理であろう。 特にこの地は「月の桂」と呼ばれた月の名所という。 月を見るため設けられた古書院の月見台で、デジタル騒音のない月見のひと時を過ごすこの上ない贅沢をしてみたいものである。 桂離宮の造営者は、小堀遠州といわれている。 このときの逸話にこんな伝説があるらしい、遠州がこの造営にあたり「ご催促なきこと」、「ご助言なきこと」、「ご費用お構いなきこと」の三つを条件としたという、実にうらやましい次第であるが、私のような凡人にはちょいと言えるものではない。 ちなみに遠州の墓は大徳寺、孤篷庵にあるとのこと、これにあやかりたい人は墓に参ってみることをお勧めする。

 一時間ほどの訪問でほんの表面にふれたに過ぎないが、桂離宮をあえて建築という観点から見ると、いかに高い精神性に基づいて造られているかということをあらためて感じた次第。かのバウハウス哲学
「建築とは全ての頂点に立つ芸術である」を重ね合わせたのは私だけであろうか。

                       日本建築文化研究会「社の極」会員 北村 隆

日本建築文化研究会「社の極」 http://yashirono-kiwami.com

松琴亭。
桂離宮で最も格の高い
茅葺き入母屋造りの茶室。
松琴亭、座敷床の間と襖
の市松模様。
月見台前より庭を望む。

笑意軒。
茅葺き寄棟造りの屋根
に柿(こけら)葺きの廂を
つけた田舎屋風茶室。
笑意軒小壁の六つ円窓。
月波楼。
古書院に近い池辺の高
みに建つ開放的茶室。



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