以前、京友禅の染問屋が並ぶ地域でお施主様も問屋を営んでおられたので、狭小住宅でしたが京町屋の風情を残してデザインしました。
本来の京町屋は道路面に下屋が張り出した形が一般的ですが、狭小敷地のため所要室を取ると総3階建てが必要でした。
外観の付柱や付梁は張り物でない無垢木材を欠きこみ、染屋を表す糸屋格子も再現しました。
当時あったという井戸も採掘し庭水などに使用し、次世代を見据えて太陽光発電で売電などを行うなど古えであり新しい「新・京町屋」として蘇らせました。裏道として交通量も多いため、お施主様が電子時計を隅切り壁に取付けられ、学生や設計士が写真を撮りに来るなど、地域の景観オピニオンリーダー的存在の建物になっています。